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院長 西田泰敏 | 心療内科 精神科 神経科 内科(認知症外来はありません) 各種保険 生活保護 公費取扱い 健康診断 予防接種 予約おうけします |
グループホームお城下の入居相談受付けています。
わが国は超高齢化社会を迎え認知症や脳卒中などの神経疾患で介護を必要とする患者がふえ、又社会への不安やストレスなど脳や心の健康を脅かす要因の増加によりうつ病などで通院入院している患者も多い。こうした認知症やうつ病の患者数の著しい増加は大きな社会問題となっている。このように神経疾患と精神疾患は医学的にも社会的にも密接に関連している疾患領域といえる。
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よくみられる神経疾患 (グループホームお城下用参考資料)
認知症性疾患(認知症と背景疾患) アルツハイマー型認知症
血管性認知症
レビー小体型認知症
前頭側頭型認知症
認知症性疾患関連 認知症の早期発見・早期対応の意義
認知症の診断基準(DSM)
認知症 家族が最初に気づいた日常生活の変化
軽度認知障害 MCI (Mild Cognitive Impairment)
加齢に伴う物忘れと認知症の物忘れの違い認知症の相談窓口
介護保険制度の仕組み
- よく見られる精神疾患(西田クリニック)
うつ病
双極性障害
気分変調症
いわゆる「現代型うつ病」INFORMATION 1PTSD (Post-traumatic stress disorder)
適応障害パニック障害
統合失調症
社交不安症 (SAD Social Anxiety Disorder)INFORMATION 2
不眠症
摂食障害認知症と背景疾患 ①(以下グループホームお城下用参考資料)
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は初老期から老年期に発症する認知症第一の原因疾患である。この症状は大別すると認知機能障害による症状(中核症状)と非認知機能障害による症状(周辺症状)に分けられる。中核症状には記憶障害、失語、失行,失認、遂行機能の障害が含まれる。周辺症状には精神症状、性格変化、幻覚、妄想、夜間せん妄、徘徊、食行動異常、排泄行動異常などが含まれている。周辺症状は認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia BPSD)とよばれるようになってきた。
アルツハイマー型認知症の診断基準(DSM-IV-TR)
A 記憶を含む複数の認知機能障害 B 社会的・職業的な機能の障害 病前の機能の著しい低下 C 緩やかな発生と持続的な認知機能の低下 D Aの障害が下記によらない
1中枢神経系疾患 2全身性疾患 3物質誘発性の疾患E せん妄の経過中にのみ現れるものではない F 障害が他の第1軸の疾患では説明されない(大うつ病性障害、統合失調症など) 認知症と背景疾患 ②
血管性認知症(Vascular dementia)
血管性認知症は脳血管障害に起因して生ずる認知症の総称である。この基準では混合型認知症という概念は認めていないので理想的な診断基準とはいえない。
NINDS--AIRENの血管性認知症の診断基準
1 認知症 a 記憶障害及び認知機能に障害があること b それらは神経心理検査で裏づけされたうえで診察で証明 C これらが脳卒中による身体的ハンデキャップにならない 2 脳血管障害 a 脳血管障害による局在徴候が神経学的検査で認められる B 脳画像検査で対応した脳血管性病変がみられること 3 認知症と脳血管障害との関連 a 脳卒中発症後3ヶ月以内の認知症発症 (a・bが単独で見られるか両者が見られる場合) b 認知機能の急速な低下、あるいは認知機能障害の動揺性あるいは階段状の進行 認知症と背景疾患 ③
レビ-小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies DLB)
中枢神経系や自律神経系における多数なレビー小体の出現を特徴としている。 アルツハイマー型認知症や血管性認知症についで3番目に多く認知症の約20%を占めている。
レビ-小体型認知症の診断基準①
- 社会生活に支障があるていどの進行性認知症の存在
初期は記憶傷害は目立たないこともあり進行とともに明らかにる。注意力、前頭葉皮質機能,視空間認知障害がめだつこともある。 以下の3項目の中核症状のうちprobable DLBでは2項目、possible DLBでは1項目が認められること
1)注意や意識レベルの明らかな変動を伴う認知機能の動揺
2)現実的で詳細な内容の幻視が繰り返し現れる
3)パーキンソニスムの出現レビ-小体小体型認知症の診断基準②
- DLBの診断を示唆する症状
1)レム睡眠行動障害
2)重篤な抗精神病薬過敏
3)PET、 SPECTでの基底核におけるドーパミントランスポータの現象4DLBの診断を支持する症状
1)くりかえす転倒と失神
2)一過性の意識障害
3)重篤な自律神経障害
4)幻視以外のタイプの幻覚
5)系統的な妄想
6)うつ
7)CT MRIで側頭葉内側が保たれている
8)SPECT PETでの後頭葉の取り込み低下
9)MIBG心筋シンチグラムの異常
10)脳波での徐波と側頭葉での一過性の鋭波
認知症と背景疾患 ④
前頭側頭型認知症(Fronto Temporal Dementia FTD)
定義 臨床的に認知症や種々の高次機能障害を呈し、画像所見で前頭葉と側頭耀に比較的限局した萎縮を呈する疾患群。新たな診断基準が2011年にRascovskyに提唱されたのでそれを記す
行動障害型前頭側頭型認知症(behavioral variant FTD bv FTD
言語障害型前頭側頭型認知症
疫学 頻度 ADとの比は10分の1以下 65歳以下の発症が多く性差はない 認知症と背景疾患⑤
認知症の早期発見・早期対応の意義
認知症の原因には頻度は多くないが可逆性の疾患も多種類存在する。可逆性といえども原因疾患が発症後もしばらく放置されると治療による改善が望めないケースが多いため早期発見・早期治療が重要である。また認知症を早期に発見できれば本人が病気について理解することも容易となる。病気に関してある程度理解できれば病気の進行による生活への影響にもあらかじめの準備が可能であり不安も軽減されるであろう。行動・心理症状にもあまり悩まされず生活が継続できる可能性が高まる。又任意後見制度の利用により自己決定を生かし経済損失を防止することもできる。精神障害者保険福祉手帳の申請には初診日より6ヶ月を経過した日以降の診断書が必要であり、障害年金は初診から1年半経過した日を障害認定日としていることから、早期の受診によって様々な支援制度をより早期に利用できる。早期発見により家族も適切な介護方法や支援サービスに関する情報を入手可能になり病気の進行に合わせて介護保険サービスも利用し適切にケアすれば進行の抑制になり介護負担も軽減できる。
認知症の診断基準(DSM)
意識障害がないこと。記憶障害に加えて、それ以外の認知機能障害、つまり判断力の障害や実行機能の障害が認められ、それらの障害によって日常の社会生活や対人関係に支障をきたし、病因として気質性病変の存在が確認あるいは推定され、うつ病などが除外されれば認知症ということになる。(米国精神医学会による認知症の診断基準より)
認知症 家族が最初に気づいた日常生活の変化
- 同じことを何回も言ったり聞いたりする
- 財布を盗まれたという
- だらしなくなった
- いつも降りる駅なのに乗り過ごした
- 夜中に急に起きだして騒いだ
- おき忘れやしまい忘れがめだつ
- 計算の間違いが多くなった
- ものの名前が出てこなくなった
- ささいなことで怒りっぽくなった
認知症と背景疾患⑥ 軽度認知障害 MCI(Mild Cognitive Impairment)
軽度認知障害(以下、MCI)とは正常に日常生活を送ることができる人と認知症の間の境界にある状態を示す言葉です(上図参照)。認知症ではないがその一部がアルツハイマー型認知症などに進展するとされている。MCIの人には二つの対応が必要となる。①本人と家族の「将来認知症になってしまうのではないか」という不安に応えていくこと。②「認知症ではないのだから病気ではない。だから医者にかかる必要はない」という誤解に対応していくこと。これには病態に対する徹底的な知識教育と経過観察の重要性の説明が重要である。現在の医療ではMCIから認知症への進行を防止する治療法は確立していませんが専門医の診察や脳の画像検査などを受けて早期発見をして進行を防ぎましょう。(参考日医ニュース)
認知症と背景疾患⑦
加齢に伴う物忘れと認知症の物忘れの違い
加齢に伴うもの忘れ 認知症のもの忘れ 体験の1部分を忘れる 全体を忘れる 記憶障害のみが見られる 記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害がある もの忘れを自覚している もの忘れの自覚に乏しい 探し物を努力して見つけようとする 探し物も誰かが盗ったという 見当式障害は見られない 見当式障害が見られる 取り繕いが見られない しばしば取り繕いが見られる 日常生活に支障はない 日常生活に支障が見られる きわめて徐々にしか進行しない 進行性である 認知症と背景疾患⑧
認知症の相談窓口
認知症の相談窓口は医療関係、保険関係、福祉関係などにわけられる。医療関係では専門の医療機関が診断と治療と平行して相談に応じている。保険関係では地域の保険所がいいであろう。保健師等の専門のスタッフが相談に応じ関係機関とも連携する体制がある。福祉関係では、市区町村の身近な生活圏域ごとに設置されている地域包括支援センターを核とした地域の支援体制が強化されている。
介護保険制度の仕組み
介護保険制度は、大きく,①認定申請 ②要介護認定 ③介護給付・予防給付という流れで利用することになる。
① 介護保険サービスを利用する場合 保険者(市町村)に対して要介護認定を請求する ② 一次判定(コンピュータ判定) 認定調査員が訪問して行う身体状態等の調査 二次判定 主治医意見書等を資料として行う介護認定審査会での合議 ③ 要介護1~5 介護給付 施設サービス 居宅サービス 地域密着型サービス 要支援1~2 予防給付 地域密着型介護予防サービス 非該当 地域支援事業 介護予防事業 認知症と背景疾患⑨
参考資料 改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
- 社会生活に支障があるていどの進行性認知症の存在
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認知症とグループホームお城下の現状
認知症とグループホームお城下の現状
地域密着型サービスには8種類のサービスがありますがその1つです。松山市が指定指導監督をしています。原則松山市の被保険者が利用可能です。住民に身近な生活圏域単位で整備されています。お城下は小規模な居住空間、家庭的な雰囲気、なじみのある安定した人間関係、住み慣れた地域での生活の継続をめざしています。コンセプトである 「よいにおい よいはだざわり よい会話 おいしい料理 よい環境」 を合言葉にサービスを提供しています。
お城下の入居者と支援をする職員
お城下には、西田千舟町ビルの3Fのつるに9名、4Fのかめに9名合計18名の入居者が居住しています。入居者の平均年齢は86歳、平均介護度は3.5度で、終末期を迎えようとしている方々も常時数名います。高齢者が多数のうえ終末期の方も多く、医療と介護のスタッフが一時も目を離すことなく見守りを続けている現状です。西田クリニックは同一館内の2Fです。お城下の人員配置は入居者9人に対して介護スタッフ3、3~4、0人、その他松山市の指導監督による運営をしています。
お城下における見取り介護(ターミナルケア)の考え方
看取りの実施には関わるすべての職員で情報の共有化をはかり協力体制を築きます。又利用者の安らかな状態を保つよう勤め随時カンファレンスを行いつつ必要なケアを提供します。
お城下における見取り介護(ターミナルケア)の考え方
看取りケア記録の整備 1 終末期ケアについての同意書
急変時や終末期に於ける医療に関する意思確認書2 医師の指示書 3 終末期ケアの計画書 4 経過観察記録 5 ケアカンファレンスの記録 6 臨終期の記録 7 終末期カンファレンス終了時の記録 職員の役割分担 1 医師 終末期ケア移行段階の診断 家族への説明 24時間体制の対応と支持 カンファレンスへの参加 死亡確認、死亡診断書の作成 2 管理者 総括 3 介護支援専門員 終末期ケアの計画書作成 継続的な家族支援 緊急時マニュアル作成と周知 カンファレンス参加と記録 死後のケアと家族支援と身辺整理 4 介護職員 細やかな食事、排泄、清潔保持の提供 身体的、精神的な緩和ケア カンファレンスへの参加、状態観察と経過観察記録、臨終期記録の記載